セイチョウ・ジャーニーができるまでシリーズ第2弾です。
セイチョウ・ジャーニー第3章「マヨイ・ジャーニー」ができるまで
セイチョウ・ジャーニーは生粋の技術書ではなく、サークルメンバーのエッセイ集のような構成です。
その中で、第3章のマヨイ・ジャーニーだけが小説となっています。
この記事では、
- なぜ小説にしたのか
- どういう過程で書いていったのか
などを書いていきたいと思います。
小説にした理由
セイチョウ・ジャーニーという名前を聞いたら、きっとみなさんは「カイゼン・ジャーニー」を連想すると思いました。(なお僕らもカイゼン・ジャーニーのファンです)
カイゼン・ジャーニーは、ひとりのITエンジニアが主人公として現場のカイゼンをしていく物語。
物語を通じて、読者は現場のカイゼンを追体験できる構成となっています。
僕はあの構成が非常に好きで「誰かひとりに感情移入しながら読み進められたらわかりやすいなあ」としみじみ思っていました。
今回せっかくセイチョウ・ジャーニーというタイトルで頒布できること(カイゼン・ジャーニー著者様から承諾済み)になったので、「なら僕も同じ構成にしていこう」というのが理由のひとつです。
他の理由としては、
- 仮に続編を書くなどがあっても同じ世界観のままシリーズ化しやすいこと
- マンガやアニメを楽しんでいるときの「モデルってきっとあれだよな」「作中の○○が現実に!」みたいなのが好きで、セイチョウ・ジャーニーが盛り上がったら同じように現実化したりとかしてみたいなーとか思っていた
- 仮に現実化できれば、読者さんがそのまま内容を体験できるので楽しそうと思った
とまあ半分以上は趣味で小説形式にしました(笑)
コンテンツ案の作成
真っ先に「どんな人に何を伝えたいのか」からはじめました。
マヨイ・ジャーニー製作時における最初の読者想定は
- 何かを変えたいけどやり方がわからない人
でした。
一番最初に考案した内容はこちらです。
この段階で、実は最初と最後まで書きたいことは決まっていたような状態でした。*1
ここからブラッシュアップするのに、次のことをやっていきました。
Twitterで取材させてくれる人を募集
構成は頭にあったものの、主人公が抱える悩みや感情を表現するには素材が僕しかいませんでした。
僕だけでも別に良かったのですが、話の内容にもっとリアリティを持たせたかったことや、「そもそも他の人も同じ悩みを持っている?持っていない?」という疑問があったので、Twitterで取材させてくれるひとを募集しました。
#技術書典 執筆のために、ちょっとした取材をお願いしたいのだけど、ご協力してくれる優しい人はいないでしょうか🤔
— VTRyo 青春Web系ラブコメを書いた (@3s_hv) August 15, 2018
bosyu使ってみようかな
「何かを変えたい。でもどうしていいかわかんねぇんだ…俺…」
— VTRyo 青春Web系ラブコメを書いた (@3s_hv) August 15, 2018
という人にも取材したいので我こそはという方お話を聞かせていただきたく…! https://t.co/u5qJMpXepH
こちらのつぶやきに反応してくれた、優しい9名の方に連絡を取りました。
※なお最初のツイートではなく、二番目のツイートの方に反応してくれた方が多かったのが驚きでした。
最初の「取材」という単語だけではうまくスコープできなかったものの、そのあと具体的にどんな人の話が聞きたいかを書いたことで反応できたとご本人から聞きました。今後何か募集するときなどに活きる知見でした。
取材
募集したその日は8月16日で、初稿の最終締切は9月1日にしていました。なのでハイペースで取材を実施し、まとめて、プロットに起こした後本文にする必要があります。
募集した当日に、試しに「今日空いている人いませんか?」と声を掛けるとなんと何名か当日OKの方が!スピード感がすごくて非常に助かりました!
僕は事前に、以下のアンケートをしてもらいました。
- 自分自身を変えたいと思ったことはありますか?
- 【あると答えた人に質問です】その変えるために、どんな行動すればよいか知っていますか?
- 【知っていると答えた方に質問です】実際に行動できていますか?
- 【出来ていると答えた人に質問です】「変えたい」と思った最もシンプルな理由を教えてください
- 何かをしたいけど、どうしていいかわからない」ことがありますか?
- 【自由回答】「何かを変えたい。でも、どうしていいかわからない」という人がいたとき、どんなアドバイスをしますか?
事前アンケートの回答から、ご本人にお会いしたときに取材する内容を変えていました。
ぜひ、上記の質問はこのブログを読んでいる方も考えてみてください。ちょっとした振り返りになるかもしれません!
その後、ご協力いただける方全員に話を聞き、それを参考にプロットにおこしておきました。
初稿とレビュー
ストーリー案→プロット作成→初稿
という流れで原稿を作成しました。この段階ではMarkdownで書いてます。
初稿は自分たちが設定した締切になんとか間に合わせ、チーム内レビューに突入しました。
このレビューでの指摘を修正しながら進めつつ、さらにストーリーをブラッシュアップ。最終的に現在出版している形となりました。
※編集の細かい部分は、また別の記事として書く予定です!
おわりに
取材したことにより、マヨイ・ジャーニーはより深いストーリーになったと思っています。
改めて、本当にご協力感謝致します!
協力いただいたみなさま
- かめねこ さん
- くろ さん
- 桑原聖仁 さん
- こまど さん
- ながしー さん
- はっせー さん
- 藤原 惟 さん
- Morix さん
- もんりぃ先生 さん
関連リンク
*1:このストーリーと現在出版されている内容は若干異なります