セイチョウ・ジャーニーができるまでシリーズ第4弾です。
入稿とは
1.原稿を印刷所に渡すこと。
2.原稿を執筆者から入手すること。
今回は1の印刷所へ渡すことを意味しています。
同人誌なので原稿を書いたら終わりではなく、自分たちで印刷の手続きをする必要があるわけです。
技術書典公式の印刷所
技術書典公式の印刷所があります。
- 日光企画
- ねこのしっぽ
両印刷所は公式バックアップしているだけのことはあり、どちらも捨てがたい特徴があるようです。
以下はTwitterでの評判です。
なお、我々は日光企画さんに入稿することにしました!
日光企画さんへ入稿
前回記事で入稿までの話を書きました。
入稿準備が整い、僕はかねてから閲覧していた日光企画さんの技術書典新刊応援企画のページの詳細をみていきます。
日光企画さんの豊富なバックアップサポートに乗っかり、オフセット印刷の早割セット&ポスターを発注します。
なお早割セットの締め切りは以外と早いので注意です。
注意点!
入稿の締め切りが9月19日(水)というのを確認したのは締め切りの2週間くらい前だった気がします。
日光企画さんに問合わせメモ #技術書典
— VTRyo (@3s_hv) September 13, 2018
【オフセット早割の場合】
・PDF入稿は可能か→可能。ただし表紙と本文が異なるファイルの場合はフォルダ圧縮するとよい
・表紙の印刷種類→通常4色クリアPPでいいか(オフセット早割の場合)→よい
・印刷種類はデータ150線印刷でよいか→よい
つづく
そして6日前になったあたりで、実際に入稿と入金方法を確認してました。
そこで気づいたのが、日光企画さんの申し込み完了定義です。
これって、締切までに”先に入金してね”ってことか??(日光企画さんです)
— VTRyo (@3s_hv) 2018年9月13日
これ知らないで先に入稿フォームにだけねじ込んで安心してたらやばかったのでは・・・(しらなかった勢)#技術書典 pic.twitter.com/tkGlyTEV7Y
この画像をみてびっくりしました。Webフォームで入稿する予定だったのですが、仮に入金が完了できてなかったら締め切りに間に合わなかったことになりかねないリスクがあります。
これは怖いと思ってこのようにつぶやいたところ、リプライをいただきました。
うちは、その手のトラブルを避けるため、日光企画さんのリアル店舗に行って入稿します
— show@スマートスピーカーを遊びたおす本委託中 (@surumegohan) 2018年9月13日
店舗持ち込みによる入稿方法が日光企画さんにはあります。その方が、トラブルも持ち込んだその時に指摘してたり、安くしてくれるとのことだったので、僕も同じように店舗に持ち込むことにしました。
日光企画さん、銀行からの振込でも5%オフされましたよー!
— 湊川あい🌱わかばちゃんと学ぶシリーズ発売中 (@llminatoll) September 14, 2018
5%、結構大きいのでありがたいですよね!#技術書典
なお、締め切りはさきほども行ったとおり9月19日(水)で、僕は普通に仕事がありましたので、9月16日(日)に入稿することにしました。
店舗へ
9月16日(日)、徹夜でてぃーびーさんと修正したデータをUSBメモリに突っ込んで電車に飛び乗りました。
店舗は御茶ノ水店にしました。僕の家からは神保町まで行って歩いて御茶ノ水店まで行く流れです。
住所につくと、どこに日光企画さんがあるのかわかりません。
ちゃんと探すと、小諸そばと咲くらというお店の間に駿台興業ビルがあります。
そこが日光企画さんです!
受付と入稿
6階について受付をしました。丁寧と噂に聞く日光企画のお姉さんがお出迎えです。
> 印刷手順で不明なことがあるかもしれません。そんなときは遠慮なく勉強会できいてくれてもいいですし、印刷所へ電話してきいてみてくださいね。懇切丁寧に教えてもらえます。
— mochiko@「AWSをはじめよう」をBOOTHで発売中♡ (@mochikoAsTech) 2018年9月22日
最初はメニュー見てもよく分からないもんね。日光企画は電話すると可愛い声のお姉さんがサポートしてくれます。#技術書典
受付後、お姉さんと一緒にやっていくことは以下です。
- 原稿データチェック
- 表紙チェック
- 発注
原稿データチェック
その名の通りデータチェックです。1ページ1ページ一緒に見ていきました。
画像が切れてないかなどです。
印刷用の高画質データだったことやページが100ページを超えていたこともあり、画像の読み込みに時間がかかっため確認の時間は長かったです。
表紙のチェック
表紙のチェックとは、塗りたしがきちんとあるかの確認や背表紙のタイトル入れる?などの話です。
今回持っていったデータは、塗り足しも考慮して作成したつもりだったのですが、確認してもらったらうまく塗り足せておらずその場で修正させてもらいました。
また、背表紙へのタイトルもこのときに指摘頂いたので、ここで入れました。
この辺は実店舗に持ち込んだメリットでしょうか。
トラブル発生!!
原稿データチェック、表紙チェック、ともに問題なく終わったかにみえた午後1時。
何かに気づいたお姉さんの声音が変わりました。
「すみません、PDFサイズ……B5になってます」
「えっ……」
めのまえがまっくらになった。
セイチョウ・ジャーニーはA5で制作しているはずなのに、B5サイズに??
わからない!どうして!だって何度も確認したはずだ!!
と度重なる徹夜で脳死寸前の僕はパニック状態になりました。
通常なら落ち着いて対応できそうなものですが、Wifiがないので修正はテザリング(スマホ充電器は持ってない)でする必要がありました。
そんな状況下の中で、以下の作業が生まれます。*1
- PDFをA5にして生成する方法を調べる
- 修正版をRe:VIEWで再生成する
- PDFをiLovePDFに(テザリングで)アップロードしてノンブル付け直し
- ノンブルを付けたPDFを(テザリングで)ダウンロードする
- Helveticaフォントの埋め込み作業
テザリングなので通信速度が半端なく遅く作業は絶望的に遅い。
日光企画さんの受付で修正するにもいつ修正が終わるか目処が……。
そんなとき、日光企画のお姉さんは言いました。
「修正、こちらでしていってもよいですよ。もちろん作業環境が大変であれば、こちらでなくても大丈夫です」
「ほ、ほんとですか……!」
「はい、終わったらお声がけくださいね」
神か……!
幸い他に入稿のお客さんはいませんでした。
ということで、お言葉に甘えて受付で作業することにしました。
まずはGrowthfaction内に相談の投稿をしました。行きの電車で最後の議論をしていたので、誰かきっと起きているはず!という希望を込める。
また、Twitterでもヘルプを投げてみました。
#技術書典
— VTRyo (@3s_hv) September 16, 2018
入稿しにきたら、PDFがB5で出来ていると言われた(A5予定)
RE:VIEWで作成された段階でB5になってしまう。
config.ymlでA5を指定するっぽいところがあるんだけどあまり変化なかった><
ぐわああピンチ
せまるスマホバッテリーの限界。テザリングタイムリミット。
刻一刻とゲームオーバーが近づく中、Growthfactionのゆのんさんから連絡が!
「調べます」
たった一言ですが、このとき僕は完全に救われた気持ちになりました。
その後、ゆのんさんは自宅から色々検証してくれたことでA5によるPDF生成に成功してくれました。
僕はというと、PDFを最後に日光企画さんでダウンロードするための体力(バッテリー)の節約をするため、ゆのんさんに遠隔で作業依頼を出し続けていました。*2
なお、結論としてPDFをA5で生成する方法は結局Re:VIEWではなく、Macのプレビュー.appで実施することができたようです。
MacBookのプレビュー.appで、
— VTRyo (@3s_hv) September 16, 2018
https://t.co/BTabw2kNXkで、メニューから「ファイル」→「PDFとして書き出す...」を選びます。
ファイル名を指定して、新しいPDFファイルとして保存します。(この時A5にする)
でA5になったと@yunon_phys さんから聞きました!
なんとかなるようです https://t.co/OHOcp4PTYq
こうして、ゆのんさんが修正しA5にしてくれたPDFのダウンロードを開始。
脳内では勝手に小人がアツい展開を演じ始めます。
「スマホバッテリー、残り20%を切りました!」
「まだだ!まだ20%ある!PDFをダウンロードさえすればいいんだ!間に合えええええええ」
30分ほどかけてダウンロード完了……!
こうして再データチェックに挑むことができました。
救世主!ありがとうございました!!
発注
データチェックが終わり、かなり疲弊していましたが発注の手続きです。
- イベント名
- サークル名
- サークル配置場所
- 発注内容(加工方法やトレペなどオプションも含めて)
などです。
その他、セイチョウ・ジャーニーの発注内容はこちらです。
WEB入稿ページと店舗持ち込みでは入力する内容が微妙に異なるかもしれません。
持ち込みだとお姉さんが対話式で記入してくれるので安心です。
項目 | 値 | どうなる? |
---|---|---|
本のトジ方向 | 左綴じ | 横書きは左綴じ |
本のトジ種類 | 平綴じ | より本っぽい綴じ方。綴じ部分は見えない |
遊び紙 | 前ペラ ホワイト | 表紙の直後に薄い紙がつく |
表紙の印刷種類 | 通常4色クリアPP | トゥルトゥルの表紙になる |
本文用紙 | 上質90kg | よくある用紙の厚さ |
本文の印刷種類 | データ150線印刷 | グレー部分を整列した網点にする製版らしい |
本文始まりのページ(ノンブル) | 1 | ノンブル開始地点を指定 |
納品冊数 | 200 | 200冊がイベント会場に届く |
入金はその場で現金支払いすると5%安くなります。
日光企画さんに問合わせメモ #技術書典
— VTRyo (@3s_hv) September 13, 2018
【オフセット早割の場合】
・PDF入稿は可能か→可能。ただし表紙と本文が異なるファイルの場合はフォルダ圧縮するとよい
・表紙の印刷種類→通常4色クリアPPでいいか(オフセット早割の場合)→よい
・印刷種類はデータ150線印刷でよいか→よい
つづく
・”反射原稿で入稿する”の意味→手書きの原稿を提出刷る場合のこと。今回は文字だけなのでなし
— VTRyo (@3s_hv) September 13, 2018
・店舗への持ち込みメリット→データ(USBなど)とお金だけ持っていけば手続きをやってくれる。さらに現金払いだと5%バック。入金トラブルやデータトラブルもなくなる
お姉さん丁寧で助かった#技術書典
なお現金でなくても振込であれば安くしてくれるのと、pixivの有料会員でさらに安くなるようです!
日光企画さん、銀行からの振込でも5%オフされましたよー!
— 湊川あい🌱わかばちゃんと学ぶシリーズ発売中 (@llminatoll) September 14, 2018
5%、結構大きいのでありがたいですよね!#技術書典
入稿だん!
涙あり、トラブルあり、脳死ありの大変な入稿でした。
仲間の助けやTwitterでのヘルプ、とても助かりました。
何より、日光企画さんの懐のデカさたるや……!
本当に皆様ありがとうございました!
そしてやってみて思ったのは、初めて印刷する人はぜひ店舗に持ち込んでみてほしいということです。(近場に住んでいればですが)
WEB入稿の場合は何らかのトラブルがあると電話で連絡が来るそうですが、僕は心配性なのでその場でなんとかしたい派でした。
そういう観点ではとても安心できました。なにより皆さん親切です。
早割セットでの入稿だん。@yunon_phys @tbpgr @higuyume @hide336_tw
— VTRyo (@3s_hv) September 16, 2018
ご協力ありがとうございましたーー#技術書典
日光企画さん問い合わせから入稿までの対応が神すぎるので一生ついていきたいレベル。はじめて印刷する人は特に頼もしいんじゃないかな#技術書典
— VTRyo (@3s_hv) September 16, 2018
入稿しました!#技術書典#入稿したときに押すボタン
— VTRyo (@3s_hv) September 16, 2018
https://t.co/mISH7uu1fM
おまけ
久々に24時間以上の稼働した僕は、帰り道吸い寄せられるようにとある店へ……。
そうです麺屋こころです。
実は初めて行きました。ずっとご飯食べていなかったのと、入稿という大きな仕事を終えたので、ものすっっっっっっごく美味しかったです。
おわりに
これで入稿が終わりました。しかしこれで終わりではありません!
一人でも多くの人に、この傑作品を届けるため入稿後は宣伝タイムの始まりです。
自慢みたいになってあれなんで言うの迷ったんですけど、
— VTRyo (@3s_hv) September 10, 2018
ぼくらの書いた本、控えめに言ってすげー面白いと思うんですな。
特にぼくが書いた章は最高。やばい。親バカなので自分が書いたところ一番好き。24ページくらいあるのにスラスラ読めちゃう。誰かに読んでほし文字数https://t.co/3Dcj0zbDQH
ぜひこちらの記事をご参考くださいな。
では!
*1:詳しい作業内容はこちらの記事。blog.vtryo.me
*2:PDFを生成したあとは、ノンブルをつけるなどの作業をして貰う必要がある