近未来を思わせるデザインと臨場感あるムービー。
これから始まるのは究極の体験であるといわんばかりに。あれはまさに没入へのカウントダウンだった。
SRE NEXTは相変わらずカンファレンスがうまい。
3年連続でSRE NEXTに参戦してきました
思えば、初年度の2020年に参加したときはまだ前職で「SREというものは何か」を模索していた時代でした。どちらかと言えば、今で言うplatform engineeringが中心で、信頼性について深く理解しようという意識はそこまで高くなかったように思い返します。
前回までのレポはこちら
ここ3年で変わった世界観
2020年のSRE NEXTは「SREとは何か」「何をしているのか・こうやってるんだ」という入門アプローチが多かったです。3年も経つと実際に運用した成果がよく見られるようになりましたね(これは今回の基調講演、山口さんも言及していました)。
組織が違えば持っている課題も違います。Google SRE本に見られる教科書のようなSREプラクティスとは別のアプローチでも間違いではない、ということが随分浸透してきたのだろうなと感じました。
SRE NEXTはダイバーシティを価値観の一つに掲げているだけあって、多様な発表と多様なバックグラウンドを持つ人が参加したことで今後のクロスオーバーが期待されます。 特定のテーマを持ったカンファレンスにおいて中々できることではない気がします。
例えば あすみさんやことみんさんはPHPerとしてdeveloperの役割がメインのようですが、興味関心の中に信頼性があることがわかります。
同じPHPerとして共感の嵐!いいブログ!!
— ことみん (@kotomin_m) 2023年9月29日
これはジョブボードを書くあすみさん
#srenext https://t.co/RVsCDIybck pic.twitter.com/5jgwYdQ7Mz
「SREは生き様だろ!」はSREという概念を簡潔に表していると思ってて、もっと広まるべき名言。 特定の職業やロールの人だけが担うものではなく、どんな職種の誰もが応用できる工学だと思っています。
SRE 引退です!に対して山口さんの @ymotongpoo SRE は生き様だろ!!!!!!!!を引用したかったけど時間足らんやった https://t.co/y9zkJ8kFq8 ロールとしては引退するけど、生き様としては FinOps DevSecOps 組織のリライアビリティやってくぞ!
— Takeshi Kondo (@chaspy_) 2023年9月29日
同窓会のようなエモ
2021年のSRE NEXTは登壇者として参加しましたが、残念ながらコロナ禍でオンラインオンリー。憧れの地で話せるというのに、なんとも手応えのなさに寂しさがありました。
やはり知り合いと技術的な話で盛り上がりたい……かつての賑わいを2023年では見れてとても嬉しく思います。
#srenext SREは野菜残しがちhttps://t.co/tW50ls2B79 pic.twitter.com/2286aS1sM4
— fujiwara (@fujiwara) 2023年9月29日
新卒時代の同期、2社目の同僚など古くからの知り合いはもちろんですが、インターネット上でのみ知っていた人とも顔を合わせる「オフ会」ムーブは本当に久々の体験です。
初めての人、前から会いたかった人、最近よく見かける人。社交の場はあまり好みではありませんが、同じ生き様を持った人と話して退屈なはずがありません。
我、皆酒飲姿大好侍。
印象に残ったこと
カンファレンスなのでもちろん勉強しにきてます。本当です信じてください!!
ギークがイオンに飛び込んだ結果がやばい〜Reliabilityと経営〜
樽石氏の基調講演。「イオンを知ってる人いますか?」という質問から始まり、「じゃあ働きたいと思ったことある人は?」で一気に少数回答。
確かに私もイオンとテクノロジーが紐付きませんでした。どっこいここから樽石さんの面白い所で、面談から採用、そして実際に働くまでの経緯と働いてからの課題の数々、さらにはそれを全部解決に持っていく胆力が非常に印象に残っています。
イオンにデジタルのイメージがなさすぎる #srenext
— VTRyo (@3s_hv) 2023年9月29日
樽石氏とイオン副社長が落ち合う近所のカフェやばすぎるな。すごい街 #srenext
— VTRyo (@3s_hv) 2023年9月29日
課題まみれだーじゃあやるかーっていって全部自分でリードしてやりきっちゃうんだもんなあ #srenext
— VTRyo (@3s_hv) 2023年9月29日
特に「会社をソフトウェアでデザインする」「マイクロ・カンパニー・アーキテクチャ」といった経営×ギークにしかできない発想はシビれました。
マイクロカンパニーズアーキテクチャ、なるほど #srenext
— VTRyo (@3s_hv) 2023年9月29日
会社をソフトウエアでデザインする、は経営層にギークがいないと無理そう。そういう人が経営側にいるだけで全然世界観変わるなー #srenext
— VTRyo (@3s_hv) 2023年9月29日
日本最大級、300社以上からなるイオングループの印象が変わったすごい講演でした。
イオンを見る目が変わったよ #srenext
— VTRyo (@3s_hv) 2023年9月29日
開発者とともに作る Site Reliability Engineering
先日SRE引退を発表されたchaspy氏の修士論文(?)です。
#srenext 「 開発者とともに作る Site Reliability Engineering 」プロポーザル通りました。5年間の全てを出します。修論です。遊びにきてね!対バンの皆さんはよろしくお願いします!
— Takeshi Kondo (@chaspy_) 2023年8月9日
これまでの集大成と題しているだけあって面白かったです。
SLO reviewの発表を聞いて僕はSRE頑張ろうと思ったので感慨深い #srenext_b
— VTRyo (@3s_hv) 2023年9月29日
開発者からSREへのフィードバックを始め、期間限定Embeddedなど、できそうでできていないことを丁寧にやりきっている印象を受けます(御本人スライドには「大したことはしてないな…という実感」とあるけどこれが中々できないわけです)。 フィードバックアンケートも回答は主観OKにしていたり、組織や人に対するアプローチで一緒にSREを作り上げている部分が参考になります。
文化的にも、ふりかえりやフィードバックが習慣付けられているようで、信頼関係のあるコミュニケーションが前提になっていそうです。
ふりかえりに対して抵抗がないとか冗長さを感じないとか、は文化もあるけどほぼコミュニケーションの良好さだと思うからいいチームなんだろうなあ #srenext_b
— VTRyo (@3s_hv) 2023年9月29日
自社でも自己完結(フルスタック)チームを目指していますが、数年でここまでできるのかとやはりレベルの違いを感じます。chaspy氏は引退されたので、次は私たちの番ですね!
スポンサーブース
いくつかブースを回ったのですが、ほとんどの担当の方がきさくにお話してくれました。普段は見ないサービスのUIやSLOの設定所などが聞けて個人的に面白かったな―と。
私個人はノベルティよりもこういう雑談が好きなので、もっと存分にスポンサーブースを利用して自社自慢してほしいなと思います。 ちなみに弊社は予約戦争に負けてまたスポンサーになれませんでした(2年連続で登壇してるのに…ぐぬぬw)。
#srenext 戦利品の数w
— VTRyo (@3s_hv) 2023年9月29日
マグはスポンサーグッズです pic.twitter.com/icspUUEjMB
次の世代へ
第一回から全編に登壇してきた猛者の1人*1、chaspyさんがこの日でSREを引退する件で盛り上がりました。
引退だよ!!あとは任せた!!!!来年やるなら会には行くよ!、!!!!!たくさん話しかけていただいて嬉しかったです、自分の発表が誰かの勇気に、誰かの明日の一歩につながればこれ以上幸せなことはありません。その場を作ってくれてスタッフの皆さん本当にありがとうございました。#srenext
— Takeshi Kondo (@chaspy_) 2023年9月29日
一緒に働いたこともないのに、僕のSRE人生は彼のアウトプットによって構成されている自覚がありました。 SpeakerDeckを漁り、ブログを読み、GitHubでソースを真似し、気づけば強火のオタクになっていたことを本人に伝えられたので悔いはないです、はい。
そんな方も引退。時代は回る。 いやまだまだいてくれてもいいんですけどね?
次世代と書きましたが、活躍する人が大きく変わるというよりは、これまで最前線を走ってきた方々に追いつき追い越そうとする猛者が、アプリケーション界隈あるいは別の世界感からくるかもしれないなと思いました。
#srenext 懇親会、意外と見知った顔がいないなと思ったけどこれは多分いいこと(若者多い)、声を掛けてくれる人がいると自分のOSSのユーザーさんだったりしてこれも大変ありがたいこと。ありがとうございました!
— fujiwara (@fujiwara) 2023年9月29日
自分もその次世代にはいれたらうれしいな〜などと考えております(*´σー`)
そんなわけで結びです。 今後もSRE NEXTの次のステージを楽しみにしています。
*1:もう1 2人はyuukiさん、EGさん(https://dasalog.hatenablog.jp/entry/2023/10/02/112047 を受けて追記)との噂