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『ゼロから始める技術書執筆』で湊川さんにお会いした!

f:id:vtryo:20180716105148p:plain サポーターズさんの勉強会で、湊川あいさんの講義があったので参加!

インフラである私がなぜWEBデザイナーである湊川さんのことを知っているか?というと……。

Git

実は私、転職するまでGitを使ったことがなく、使い方がちんぷんかんぷんだった(笑)

そんなとき、ものすごいタイミングで湊川さん著の『わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門』が発売される奇跡!!

もう、すぐ買ったのを覚えている。そしてすぐ読んだ(Kindleで購入したがこれが後に悲劇を生む…)

全然わからなかったのに、わかばちゃんと学んだことでGitを使えるようになって、非常に助かった思い出。

ご本人もおっしゃってましたが、漫画って理解しやすい!

そんなわけで湊川さんのファンになっていた私は、速攻で今回の勉強会に参加を決めたのだった。

湊川あいさん

感想の前に、勝手ながら湊川さんのご紹介をさせて頂きます(笑)

フリーランスのWebデザイナー・マンガ家・イラストレーター。 マンガと図解で、Web技術をわかりやすく伝えることが好き。著書「わかばちゃんと学ぶ」シリーズのほか、SchooにてGit入門授業の講師も担当。

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写真はhttps://llminatoll.github.io/

【サポーターズCoLab勉強会】ゼロから始める技術書執筆

今回参加したのは、技術書を書いたことない人がゼロからどうやって技術書を書くか?

また、湊川さんがどうやってゼロから書いたのか?というお話。

アジェンダ

  • 技術書を書くことのメリット
  • ゼロからのスタート
  • 誰のために書くか? 今日からできるテストマーケティング
  • “”ANDの才能”” 誰でもオンリーワンになれる方法
  • GitHubを使った執筆フロー
  • 出版社は著者を探している

技術書を書くことのメリット

名刺代わりになること!

というのは、私個人的にもこれは一番のメリットだよなあと思った。

名刺一枚渡すよりも、圧倒的な説得力で実力を理解してもらうことができる。

自身スキルを形に残す。この業界にいる以上、これほどのメリットは他にないと思う。

また、技術書を書く時には当然だが適当なことは書けない。

正しい知識を体系的につけられるのもメリットとのことだった!

ゼロからのスタート

湊川さんのご紹介を冒頭でしたときあえて書かなかったのだけれど、実は彼女は、3年前まで無名だったらしい。

  • 実績:0
  • 社外のつながり:0
  • 出版社つながり:0
  • noteのフォロワー:0
  • そもそもペンネームがない

日々の業務に忙殺される湊川さんに募る、

何者でもない感。

『私には何もない。何も残せない?』

そんなときpplogに出会ったという。

pplogはポエムを残せるWEBサービス。これを見た湊川さんは更に思ったそう。

『何か作りたい。誰かの役に立ってみたい』

試しに、SNSで問う。

『キャラのやりとりにほのぼのしているうちにWEBページができちゃう漫画って需要ある?』

そこについたたった4件のレス。

『需要ある』

湊川さんが動き出すには十分だったようだ。

誰のために書くか?今日からできるテストマーケティング

『誰のために書くか?』を考えることは、イコールでマーケティングをしていることと同じ!

  • ニーズがあるか
  • 他の競合コンテンツを探す
  • 自分は何を提供できるか

この考え方は、いわゆる3C分析というらしい!

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私はマーケティングの知識がほぼないので初めて聞いたけれど、おそらく基礎的な内容(笑)

湊川さんはグロービス経営大学院ご出身だそうで、このあたりはさすが。

湊川さん曰く、この分析を白紙の状態からやるのはかなり苦しいので、『本にしたい内容をWEB公開しちゃう』のが最も手っ取り早い方法だそう(笑)

ですよねそうですよね。今のご時世、最も手にとって欲しい人たちに直接見てもらって、反応を見ることがいくらでもできる。

そもそも、『わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門』は湊川さんの自社の社員にGitを使ってもらいたかった所から始まっているらしく、「身近な人の困った」を解決できたからこそ出版に繋がったんだなあと思う。

そうして、誰かの反応を見ながら3C分析の精度を上げていく。

  • 市場:Gitに抵抗を持っている人
  • 競合:漫画や図をふんだんに使った技術書はあまりない
  • 自分(湊川さん):概念を図や漫画に落とし込める。WEBデザイナーの視点から書ける

こうして、『Gitを楽しく視覚的に学べるコンテンツ!』となったという。

 

書きたいことを曲げずニーズにも答えて自身の得意分野を活かすという技は、そう簡単じゃないと思った。

というのも、大抵の場合は書きたいこととニーズが一致しないことが多い。(個人の感想)

湊川さんのすごいと思う所は、書きたいことと需要がしっかり一致していることだ。

これは、ご本人がその技術の会得する時に少なからず手間取ったり苦しんだりした経験があるからだろう。

『ここがわからないなあ』『あれ、この人もココがわからないのか』『ていうかみんな同じとこで躓くじゃん』

きっとそう思って漫画にしよう!と行動するから、非常に価値あるものを生み出せるのだと思った。

私が日々体験する『困った』や『難しい』の体験も、誰かを助ける可能性を持っているのかもしれない。

 

ちなみに、ここまでやってきたことをまとめておけば勝手に企画書の出来上がりらしい(笑)

  • 3Cにまとめておく
  • 記事のURL/シェア数/PV数を添えておく
  • 出版社にメールする

“”ANDの才能”” 誰でもオンリーワンになれる方法

利益を優先するか、理想を優先するか?

いいや、「利益も理想も実現する」

(ビジョナリー・カンパニー② −飛躍の法則−)

ANDの法則を使えば誰でも一流になれるのか?というお話。

まず自分の好きなことを思い浮かべる・・・。

・・・。

でもそれぞれの分野には、自分以上に極めている人なんてたくさんいる。

「とても自分はその人達に勝てる気がしない・・・」

これを『ORの抑圧』と言うそうだ。

ANDの法則は発想の転換が必要!

それぞれを独立したものと考えるのではなくて、重なり合う箇所や重ねてみたらオンリーワンな部分を見つければいい!ということ。

湊川さんご自身のANDはこんな感じだそう。

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ここで湊川さんから私たちに課題が!

『あなたならどんな組み合わせを作りますか?』

実際にやってみる。

(これはきっと、好きなことだけじゃなくて得意なこと、自分の特殊な経験とかでも良いと思った!)

  • 文章を書ける(好き)
  • バイク(好き)
  • 文系出身エンジニア(経験)
  • 元SES(経験)
  • インフラ(本職)

うーんなるほど、これだけみるとまさにこのブログがその答え!って感じだ(笑)

ただ、それだけじゃ良くないと思っていて、やるからには価値を生みたいし誰かの役に立ちたいよね。

私の武器は『文系出身で元SES』という経歴と、発信が好きだという点だと思う。(最近客観的に意見をもらって気づいた)

そんな感じなので、最近はサポーターズさんでもよくSESから転職して得たことのお話で登壇したりしている……。

なるほどこういうことですね湊川さん!(-ω☆)

GitHubを使った執筆フロー

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さて、私個人的に大注目の話題。Githubのアカウントは持っているし、自分なりにインフラコードも書いてみたりしている。

ところが、文章を書いたことはなく(あくまでコードコミットで草生やしたいなーなんて)

そんな使い方する気もあまりなかったりしていたので、どうやって使っているのかとても興味深かった。

メリット1

  • Github Flowによる効率的な執筆
  • masterにマージされるのは監修の目を通したものだけ

メリット2

  • 出版社がリアルタイムで進捗を確認できる
  • 催促メールがこなくなる
  • 問題点もissueみればおk

メリット3

  • レビューアを呼んでチェックしてもらうときはinviteするだけ
  • Wikiにまとめておけば個人に個別で連絡する必要がなくなる

おお!これは素敵。

メリット2については、がっつり出版社と締切との戦争の話だけれど(笑)

文章を書くのに向いてないか?といえば、そんなことはなかった。

というより、Gitは変更履歴の記録や追従が目的なのだから、たとえ文章でも便利に扱えて当たり前かもしれない。

仮に一人で編集するにしても変更点を残せるし、修正点をコメントしておくこともできるので、エンジニアならなんでもかんでもGithubにおいといて損ないまである。

つまり、私はGithubのプライベートリポジトリを買うしかない。

(Bitbucketなら無料だがGithubに草生やしたい。この気持ち分かる人・・・)

出版社は著者を探している

『技術書は偉い人が書くもの』というのは間違い。出版社も案外書いてくれる人を募集しているらしい。

もしいきなり商業誌はしんどい、という人がいれば、同人誌から始めてみよう!とのこと。

秋葉原のUDXで個人で出しても結構売れるみたい。

さいごに

『生涯をかけて達成したい目標何か』

(「たとえ報酬がゼロでも、複業をやっていた」──西尾泰和がサイボウズ・ラボを辞めずに、機械学習の技術顧問を始めた理由)

湊川さんはこの話題に、Twitterでこう答えていた。

『自分がわからなくて躓いたからこそ、「わからない」という人の気持ちやどこがわからないのかわかる』

初めからなんでもすぐに理解できてしまう人って、分からない人の気持ちはきっとわからないのだろうと私も思う。

『なぜわからないの?』という言葉は、わからずに困っている人にとっては非常につらい。

同じ目線でいてくれるのは、本当に嬉しいことだと思った。

わからないことがある。それを活かすも殺すも自由だと、湊川さんは教えてくれた。

フラストレーション駆動開発(LT)

こちらはLT! 湊川さんが如何にしてフラストレーションをエネルギーに変え、現在に繋いできたのか?

無名だったが技術書をだしてスクーの講師になった

事の始まり

  • 数年前、WEBデザイナーとしてありとあらゆる仕事(電話対応や出荷作業なども含む)を担当
  • 「これだけの仕事をやっていればいつかは素敵なWEBデザイナーになれるはず!」と日々努力
  • ある日、お客様に湊川さんの紹介する上司「こちら、細々とした作業をしてくれる湊川さん!」
  • WEBデザイナーとすら認識されていないことに、その夜号泣
  • 絶対に上司を見返すために有名になることを決意!

有名になるためにどうした?

  • アウトプットだ。アウトプットだ!!
  • WEBで公開していって、それが拡散されれば、結果的に有名になる

継続的アウトプットで何が起きた?

  • CodeIQからスカウトが来た
  • やるか迷ったら、Yesだ!

出版しないかと声がかかった

  • これもYesだ!

発売後、本はランキング一位に!

  • スクーからスカウトが来た
  • もちろんYesだ!

上司「会社をやめないでくれ!」

  • No!!!!

まとめ

  • 継続的なアウトプット
  • frustrationをガソリンに変えよ
  • 迷ったらYes!
  • やばいと思ったらNo!!

感想

元々は無名どころか、上司からはWEBデザイナーとすら認識されていなかったなんて、今の湊川さんからは考えられない状況!

今では何冊もの技術書を執筆している方でも、スタートする前の段階ではなんの繋がりもなかったという事実に、とても勇気をもらう。

湊川さんのご経歴や生き様は、私にとってとても希望になる。

「ああ、今目の前に立っている湊川さんは、行動した結果の湊川さんなんだ」と思うから。

参考

 

【サポーターズCoLab勉強会】ゼロから始める技術書執筆

おまけ

講義のあと、ちょっとした懇親会がサポーターズさん主催勉強会には組み込まれている!

嬉しい!さすが!(めちゃ褒め奴)

私は調子にのって、サインをお願いするわけですね。

ところがどっこい、私は技術書を電子書籍で買っているマン!!

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う、うわあああ! サインしてもらう物がない!!

完全にやってしまった感があった。

あと、マッキーとかも持っていない(これは完全に自分の不手際)

幸いサポーターズさんのSさんやKさんとはもはや顔見知りだったので、「マッキー貸してください!!」と強引にお借りしました(その節は本当にありがとうございました)

とこんな感じで、ややあってから、湊川さんにお願いしてMacbookに書いて頂きました。

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即興でイラストまで頂き、まさかまさかでした…かわいい。(この時テンション上がりすぎててよく覚えてない)

ただ、プラスチックのカバーに書いて頂いたことで、「擦れるともしかしたら消える」という状況に陥ってしまった!

透明なコーティングシートがサポーターズさんに1000円で販売していたら迷わず買っているレベルで困った。

頭を抱えきった私は、「とにかく頂いたサインを無事に家まで送り届ける!(血眼)」という強い信念のもと、この日私は決死の思いで帰路につく。

しかーし、この日は雨。

なんたる不運。雨に濡れて滲んでしまうとかそういうのひどい!

あと満員電車で押しつぶされて消えちゃうとかもありうる!!

私はカバーを手に、子犬を抱きかかえるようにして頑張る。

電車も各駅停車の先頭車両に乗った。

そして。

なんとか帰宅!! 頂いたサインも無事なのでした!! よかった(泣)

反省を活かして

実は技術書を電子書籍で購入してしまったために、サインを頂けなかったことが過去にもあった(笑)

ちなみにそれは、『インフラエンジニアの教科書2』の佐野さんにお会いしたとき。

今回は勉強会なのでMacbookを持っていたものの、本来はやっぱりサインは技術書に書いてもらうのが一番スマートかな?

そんなわけで、このブログサイトの改善のための勉強も兼ねてこちら・・・。

今度はきっちり物理で購入しましたとサ。 f:id:vtryo:20180716105840j:plain

湊川さん、本当にありがとうございました!

このような機会を頂けたサポーターズさんにも感謝致します!