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「楽しく働く」の正体とは何か

#しがないラジオ Advent Calendar 22日目。

これは、SIerのSEからWeb系エンジニアに転職したんだが楽しくて仕方がないラジオのsp17に主演した人間として、 「楽しく働く」の要素を考察した記事である。

shiganai.org

「楽しく働く」は存在するのか

労働 = つらい

労働 = つまらない

その固定概念や先入観を持ったまま、僕は22歳で社会人となった。

アルバイト時代、あるファミレスで見てきた社員のほとんどの目は死んでいた。 シフトが終わると途端に生気を取り戻す人、シフトが終わってもバックヤードでクソデカため息をつく人。突如シフトを入れられてブチギレる店長……。

その人たちも実は好きでその仕事しているのかも知れなかったが、僕の目には「働きたくねえなあ」という思いだけが当時積まれていった。

僕が新卒で入社した会社はSESで、雇われていた大元の会社での取り組みはそれなりに楽しいと思っていたものの、派遣先での労働は全然楽しくなかった。

何故だろう?労働はつらいものだとおもっていたが、楽しい場合と楽しくない場合がある。

これは前提だけれど、仕事である以上やりたくないものは存在する。 ただ、「えーめちゃくちゃつらいこれ」と思っていても、俯瞰して見ると楽しいに分類されていることもある。 反対に、そこまで負荷がなくても、全然楽しくないこともある。

何故だろう?これを掴めば、きっと楽しく働くの再現性が取れる。

転職を考えている人は、これを読みながらぜひご自身でも考えてみてほしい。

※ここからの論はあくまで個人の意見です。

Controlableであること

制御可能性。

自分自身で「働き方」「生き方」など、働く上で必要な要素をある程度制御できること。

  • 働き方:いわゆる時間や場所のこと
    • フレックス制・定時制やリモート・オフィス型、フリーアドレス・席固定など大きな観点での「働き方」が自分で制御できるのか

これはどちらが楽しいかはその人によって異なる。 フレックスやリモートでは向いてない人もいるし、その逆もいる。

これらを選択できるかどうかが「楽しく働く」につながる。

  • 生き方:キャリアや人生を考えた働き方ができるのかどうか
    • 例えばSESをしていた時は、その時々のタイミングで案件に放り込まれていた気がする*1

場所は毎回わからないので引っ越しは難しいし、その雑な放り込まれ方をすると技術者としてスキルを伸ばす計画を立てにくい。

Specialtyが活かせること

得意分野。

自分が持つ得意分野を活かすことのできる場所であるか。

はっきりと一芸を自覚している人は話が早い。 僕なら物書スキルやSNS活用、何かを始めることや周りを巻き込める、などだ。

得意分野がわからない人もいると思う。そういう人はTwitterで聞くのもアリ。職場の人でも良い。 もし、聞ける人が1人もいないと思ったなら、あなたにはもっと自分に合った環境があると思った方が良い。

この得意分野を、仕事にも活かせたり組織に貢献され始めると「楽しく働く」が実感できてくる。

得意分野というのは、ド派手である必要は全くない。

  • 趣味で文章を書いている
  • 一日中PCに向かっていても気にならない

などでも十分なのだ。 特にメールの書き方を忘れた僕からすれば、読み手にとって気持ちのいいメールが書けるだけでも「すげー」と思う。

例えば、しがないラジオパーソナリティのひとり、ガミさんはこのような特徴を生かして自分だけの仕事をしている。

 

得意分野がわからない人は、「自分は苦ではないけど他の人にとっては苦しそうなこと」を注意深く探すと良いだろう。

Creativeであること

創造性。

仕事や取り組みに自身の創造性が発揮できるかどうか。

それは必ずしも、何もクリエイターのように何かを作るということだけではない。 自分にしかできない発想が必ずあって、それを使って組織やチームに相乗効果をもたらせるか?ということだ。

これはさきほどのSpecialityに関連する。自分の得意分野は他の人には真似しにくい。 その結果、自分にしかできない発想が生まれることがある。

僕で言えば、「文章が書けるし、SNSでの発信が好きだ。なら会社のことを記事にして発信すれば不特定多数の人に届くな。これを自分だけじゃなくてもっと多くの人とやるなら、Advent Calendarという機会があるので聞いてみよう(誰も参加しなくても自分だけで全日埋めることもできるし)」

と発想できる。それは結果的に、他の人には簡単に真似できないことだった。

adventar.org

また、その影響力は必ずしもアルファツイッタラーである必要はなかった。

得意分野と得意分野を掛け算してできることを考えた結果が、創造性として昇華したのだった。

さらに過去を振り返って考えると、僕は元々他者を巻き込むのは得意どころか苦手な分野だった。
自分の意見を何一つ言えなかったからだった。それがSNSという媒体を通じて少しずつ変化が訪れ、巻き込んでいく感覚を掴んだ。
そう考えると、得意だったことを伸ばし続けた先に別の得意が生まれ創造性に繋がることがあるのだ。小さくても見出した得意分野は諦めずに継続して考え続けたい。

 

反対に、全く創造性を発揮させない現場も経験したことがある。

「上から降りてきた指示をそのまま実行する。指示されたこと以外は基本原則禁止」というタイプの現場だ。

ここでも実は創造性とも言うべきことをし(てしまっ)たのだが、しっかり却下された。 (これはしがないラジオで話した自動化禁止エピソード)

shiganai.org

もしこの作業が日の目を見たとしたら、きっと楽しかっただろう。 自分の工夫がそこにいる人間の命を救う*2発想だったのだ。

 

このCreativeは、きっと何にでも当てはまる。

自分にしかできないことを、自分にしかできない発想で発揮することが楽しくないわけがないのだ。

Reactionがあること

反応。

Reactionをもらうには行動やアウトプットをしないとならない。

ただ、構図としては行動→反応になるので、自分が行動した結果が誰かの反応として現れる。 これが楽しいと思える人は実際に多い。

しがないラジオ界隈は特にこのReactionのハードルが低く、何かを始めるならこの界隈からと胸を張っておすすめできる。
かくいう僕も、アウトプットを加速させてくれたのはしがないラジオだった。

SNSとも相性がよく、いいねやRTでReactionを受け取れる。

試しに、Twitterで #しがないラジオ のハッシュタグでPodcastやAdvent Calendarの感想をつぶやいてみよう。誰かが反応してくれるはずだ。

やはりもっとも簡単なアウトプットはTwitterだと考える。1ツイートは140文字でしか表現できないので、ブログほど長文をしたためる必要もない。
しかも、気軽に拡散されるので自分と同じ立場の人と繋がる確率も高い。こうして自分のアウトプットに感想をくれた人と、話そうと思えば話すことだってできる。

そんな行動を繰り返し、僕はこのしがないラジオを介して、ネット上でたくさんの繋がりができたように思っている。

blog.vtryo.me

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こうした行動→反応の構図をSNSだけでなく、組織やチームにも適用する。
つまり、自分の起こしたアクションはなるべく目に見える形にしておくこと。

あとは、業務連絡のように連絡するとか、SNS発信ついでに組織やチームに共有したりすればよい。 どこかで反応をくれる可能性が高まる。

僕にとって「楽しく働く」の正体とは何か

  • Controlable
  • Speciality
  • Creative
  • Reaction

4つの主要素を出してみて、僕は思い至る。

僕にとって「楽しく働く」とは、

「自分で個性を発揮し、成果をだし、認めてもらい、誰かに還元していくサイクル」

ということに他ならなかった。

え、なんか当たり前のことだったな……という気持ちになった。
だが、この当たり前を働いている間に発揮するのが非常に大変であるのが現実ということなのだろう。

この要素を具体的な経験と突き合わせて考えると、確かに楽しいときはこの要素のどれかを満たしている。
あるいは、連鎖的に満たされる好循環になりやすい。

  • 自分の生き方やこれからを制御できる
    • 得意分野を活かしたところで生きる選択がしやすい
      • 発想が自由になる。成果がでやすい
        • その行動の結果が誰かから反応がきやすい

このような好循環が「楽しく働く」を生み出した。

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あくまでこれは僕の「楽しく働く」要素である。
人によってきっと異なると思うが、これが何かのヒントになると嬉しい。

思っているより「楽しく働く」とはシンプルだ。

あなただけの要素の見つけ方

「楽しく働く」要素は、その人にとって重要な価値観が関連している

自己肯定感に関する話題で、以前こんなことを言った。

blog.vtryo.me

自分が大切にしている価値観が満たされると、「とても良い」気持ちが向上する

とても良い気持ちとは、この記事で言う楽しいに読み替えても差し支えない。

その人が願望と元々持っている重要なことに沿った結果が生まれれば「とても良い」気持ちは必ず向上していく

つまり僕のあの4つの要素は、僕にとって重要な価値観が並べられているということだ。

価値観と、自分の奥にある願望。

それを言語化することができれば、あなたの「楽しく働く」の正体を見つけることができるかもしれない。

価値観や願望の言語化

最後に、言語化する方法を紹介する。

【自分で言語化】

  • 楽しかった一瞬をできるだけ思い出す
  • 紙に書く
  • なぜ楽しかったのか共通点を探す
  • 楽しくなかった体験にその要素があれば違う結果になったか思考する
  • 楽しくなればおそらくその共通点が重要な価値観

【誰かに頼って言語化】

  • 壁打ちを依頼する
  • 有料サービスでコーチングしてもらう

mento.jp

※誰かに頼ることでより客観的な意見を聞くことができるため、僕も今後試してみようと思っている。

さいごに

2018年の初頭にしがないラジオ出演して以降、キャリアや自分のライフスタイルの発信も増えた。

「楽しく働く」人がこの世界にはたくさんいることが広まれば、僕のように「労働なんて何をしてもつまらないものなんでしょう」 と希望もないような就職や転職をしなくて済む人が増えるかもしれない。

そして実際に、「楽しく働く」を実践させてもらっている今の会社には感謝している*3

僕の重要な価値観である、Controlable, Speciality, Creative, Reactionを見事すべて満たしてくれるところはあまりなさそうである。

 

大丈夫。諦めなければ必ず「楽しく働く」場所は見つかる。
これを読んだあなたが、楽しくて仕方がない日々を送れるよう願っている。

*1:そうでないSESももちろんあるのは知ってる

*2:と言っても過言ではない状況だった

*3:もしへーしゃに興味がある方はTwitterなどで連絡頂ければと