バイクはいいぞ。
2019年で7年目
2012年、大学2年生だった僕は車の免許をクリアするなりすぐに中型バイクの免許を取った。*1 その後、学生ローンを組んで新車で買ったのがこのVTR250という車種。
当時アルバイトをしていたが大学に行きながら稼げる額などたかが知れていて、そんな中自分の食う飯を削ってまでガソリン代に当てていたりした。
バイクはお金が無いと乗れないというのは勘違いで「乗りたい」と思えばいくらでも乗れるのだ。
これまでいったところ
2019年でこのVTRとも7年目の付き合い。踏み入れた都道府県も増えてきた。
- 東京
- 神奈川
- 千葉
- 栃木
- 茨城
- 埼玉
- 群馬
- 長野
- 山梨
- 静岡
- 福島
- 仙台
- 北海道
残念ながら西日本は行けていない。
一番思い出深いのは実は千葉。千葉の袖ヶ浦のサーキットに毎年遊びに行っていた。公道では絶対に出せない速度でコーナーを曲がると気持ちがいい。
なお、最も遠かったのは北海道。東京から茨城の大洗まで走って、そこからフェリーに乗って北海道苫小牧まで行く。 仙台や青森まで走るという手もあるらしいが、かなりきつい。*2
実ははてなブログを移転する前、実は北海道日記を書いたんだけど復帰させてない。時間があったら復帰させよう。
バイク乗りと非バイク乗りの間にあるよくあるギャップシリーズ
乗る人と乗らない人で、実際とは全然違う想像があって面白い。
Q. 風と一体になれるんでしょ
なれない。むしろあいつらをなんとかしてシャットアウトすることにお金をかけている。僕の車種はネイキッドと呼ばれていて、カウル(風よけ)がない。
バイクに乗っていて一番疲れるのが風の抵抗である。人体に当たらないように、この画像みたいにでっかいスクリーンをつける。これがあるとないとでは快適度がぜんぜん変わる。何?車に乗れだと?違うそうじゃない。
僕はつけていないが、ハンドルの手の部分にも風よけをつけるとなお疲労が軽減される。
Q. 夏は涼しそうだよね
まったく涼しくない。熱すぎて倒れそうになる。マシンからの熱や道路熱が跳ね返ってきて死ぬほど熱い。 あと風はなるべくシャットアウトしようとしているので涼しくない。
逆に冬は死ぬほど寒い。お金をかければ、電熱ウェアといって暖かくなるジャケットも売っている。しかし高い。 アクセル部分にもヒーターを搭載することができるので、それで手が悴まないようにする人もいる。
車なら暖房も冷房もついている?違うそうじゃないんだって。
Q. 車でいいじゃん。音楽聴きたいし会話したいじゃん
まあいいと思う。車の方が楽だよそれは。さすがに。風もないし。転んだりしないし。
ただ音楽聴きたいからとか、会話したいとかならバイクでもできる。 そう、インカムである。
SENA(セナ) Bluetooth インターコム 20S シングル [並行輸入品]
こいつは本当にすごい。ツーリング満足度を劇的に上げる。ソロツーリングと言って、ひとりでツーリングする場合はもはや走る個室カラオケ。爆音で音楽を流すわけでもないので、他の車にも迷惑がかからない。走る個室であるバイクはインドアだぞ、知らなかったのか。*3
走行中のイヤホンは危険行為として注意されるが、インカムはこんなふうにヘルメットの中にセットされているので耳を完全に塞がない。もちろん、こいつのおかげでカーナビ案内も聞こえてくる。外部の人(高速道路の料金所おじさんとか)と会話しないと行けないときは一時的にインカムからの音を小さくしてくれたりする。さいつよ。
誰かと一緒に行くツーリングではさらに性能を発揮する。最大8人まで繋げられるこのSENA20sは買ってよかったバイクツールNo.1だった。
北海道に一週間以上ツーリングしにいったときは、7人でつないでワイワイ会話しながら合計2248キロを走った。
「やばい!眠い!」とか「おおおお」とか「じゃあな。気をつけて帰れよ」とか今までハンドサインだったものも色々捗る。
ハンドサインといえば、その文化が強いのもバイクの特徴かもしれない。すれ違いざま、テンションがあがっているライダー同士は手を振ったりピースしたりする。通称”ヤエー”だ。
バイク乗りが多い、いわゆる聖地に行くとヤエー率が非常に高い。みんな感極まってて楽しくなっているに違いない。立ち上がって大きく手を振る奴もいる。僕である。
”二輪”という乗り物には、仲間意識というものが強く生まれるらしい。 聖地北海道では、バイク同士のヤエーだけでなくロードバイクにも手を振った。
北海道は面積がでかい割に二輪が目指す先は大抵決まっており「この道を走っているってことは目指しているのはあそこか」みたいにすぐ推測できる。そうすると、その先まだ何キロあるのかわかってしまう。
ガソリンで走る僕らですら疲労で苦しいのに、ロードバイクは人力。やばい。なんてやつらだ……みたいなエモさを抱く。結果、身体が反射的に親指を立てている。
「ここからも気をつけて」
そうすると、ミラー越しに、ロードバイクの縦列隊が一斉に親指を返しているのが目に入る。エモい。なんか感動する。
仲間うちではインカムで気持ちをダイレクトに共有しつつ、すれ違う同士たちとはハンドサインで気持ちを共有するのだ。
車という快適な乗り物を差し置いて、なぜか過酷な方法を選択した僕らにしか得られないものがそこにある。
2019年初ツーリング、宮ヶ瀬ダム
そんなわけで今回はダムに行きたかったので行ってきた。
元々ダムには行ったことがなかったのだが、沢渡あまねさんとお会いした時にダムの魅力を聞いた。
バイクとダム、ITインフラエンジニアとダム、という組み合わせの相性はどうやらとてもいいらしい。ということでずっと行きたかったのが今回叶った。
このときダムの話を聞く↓
という訳で、 #サイゼリヤミートアップ in大井町。テーマは「セイチョウ・ジャーニー」と大井町の愉快な仲間たち。VTryoさん @3s_hv あわなさん @a_w_a_n_a Morixさん @morix1500 とワイガヤ。もう最高です♪ #saizeriyameetup pic.twitter.com/HGAjVa9EFe
— 沢渡あまね🍭職場の問題かるた(CV:戸松遥/絵:白井匠) (@amane_sawatari) October 31, 2018
初めて@amane_sawatari さんにお会いしたときに宮ヶ瀬ダムの話を聞いて、ずっと来ようと思っていた。
— VTRyo@技術書典6 さ03 (@3s_hv) March 30, 2019
やっと来れた
桜は来週だった
※ここは宮ヶ瀬湖畔地 pic.twitter.com/12okLTjLu6
北海道に一緒に行った友人とふたりだったので、お互いの走り方も知っているので非常に快適だった。
ダム放流カレーという、ウインナーを抜くとルーが流れ出すシュールな名物もある。
ちなみに宮ヶ瀬ダムはここにある。
車とバイクとで感情に差が出る話
桜が少し咲いていた。
ただ、満開は来週らしかった。山の上にあるので、まだちょっと寒いせいだ。
「宮ヶ瀬ダム行く途中に桜が咲いている所があればいいな」
くらいの気持ちだったのだが、実際きれいに見えるにはタイミングが合わなかった。
このとき、友人と走りながら会話が面白かったのが「車で来てたら怒りそう」という話。
いつもより優しくなれるのがバイクである
車に乗ることそのものが好きな人にとっては、この話は適用されないかもしれない。あくまで僕の感覚で車とバイクとの違いは「車は移動手段。だからその目的地まで最速最短で行きたいもの」である。
だから、もし桜が目的なのに咲いてなかったら「おい!咲いてねーじゃねえか!」とか思いそうである。
そこを、バイクであれば(というか手段が目的化されていることであれば)、「桜咲いてないwまあでもマシン映えよ(カメラパシャー)」となる。
道に迷うのもむしろ楽しい。オドメーター*4の数字が増えるだけで嬉しい。距離稼げたわ、とか言ってしまう。
手段が目的化するのはよくないと日頃から意識するわけだが、こと乗り物ついてはその方が幸せになれる。
移動手段で乗ってたら、こんな整備されてなさそうな狭い道は絶対に通らない。カーブたくさんあってイライラするだろう。
手段を目的化するのもたまにはよい。
野焼きじゃ
バイクで田舎を走ると高確率で何か燃やしている匂いがする。正直野焼きというとなんか物騒だが、本当は枯れ葉を焼いているだけだと思われる。僕も小さい頃ばーちゃんの畑で、枯れ葉を集めて燃やした。
言いたいことは分かると思うが、なんとなく懐かしい気持ちになるのである。幼少から都会に住んでて草が焼かれる経験をしていないと、もしかしたらわからない可能性があるものの、簡単に言えば「あ、田舎っぽい」みたいな感情である。
実際見たことがなくても「腰の折れたおばあちゃんが店番してる木造の駄菓子屋」とか「カエルがゲコゲコ鳴いてる川の近くで打ち上げ花火を見る」とかそういう”田舎っぽさ”感覚は日本人に刷り込まれている気がする。
なので、そういうのを感じると懐かしみで「野焼きだ!」とか言ってしまうのだ。
これを車で行くとどうなるのか?と走行しながら友人と考えたのだが「外気を取り入れるエアコンにスイッチ入れたら野焼きのにおいすると思う」という結論。そこまでして野焼きを取り入れたくない。空気がこもるだろう。
無論、家畜の匂いも同様にバイクでは無条件に感じる。ただ家畜は普通に臭いと思う。別に懐かしくない。
インドアなのに乗りつづけている理由
ここで勘違いしてはいけないのが、僕は基本的に趣味全般がインドアであるということ。バイクは特例中の特例。
外向きの趣味がない。
なのに乗り続けている理由はなんだろう。冬は寒くて走る気は起きないし、長距離ツーリングは準備大変だし、朝早いし、疲れる。
自分にもわからない。ただ、走り終わった後の「おー走った走った」感は心地良い。
今日の150キロ近い走行も身体に染みる。
もしかしたら「誰にも邪魔されるわけじゃないけど、同じこと考えてそうな仲間がたくさん走っている」という状況がしっくりくるのかもしれない。きっといざ困っているのを見たら助けるだろうし、話すこともあるんだろうけど、そうじゃないときはみんなそれぞれが個人の時間を楽しんでいる。
「ひとりの時間と、誰かと感情を共有する時間」が絶妙なバランスを取っている。
ソロツーリングとマスツーリングとで状況に違いはあれど、その根本は同じだ。
インカムを導入していなければ走行中はひとりだ。
仮に使っていても電源を落とせば、いつでもひとりになることができる。*5
理由を考えてもしっくり来るものはないかもしれない。もしかしたら、今思いついてないだけでまだあるかもしれない。
兎にも角にも、楽しい乗り物であることは確かだ。