今回は読書感想文回です。
私が駆け出しSREの頃からずっと追いかけてきた @chaspy さんから、ありがたいことにご恵贈いただきました。
12月22日発売予定の「エンジニアのための生成AI入門 初めての生成AIアプリ開発からエージェント開発まで(ソシム株式会社)」をご恵贈いただきました@chaspy_ @_a0i @kanasann1106 ありがとうございます… pic.twitter.com/UpXIc0IjT1
— VTRyo 🍛 (@3s_hv) 2025年12月12日
生成AIの普及
ChatGPTが登場したのが2022年。我々の世界が一変してしまってから早2年経ったわけですが、本当にあらゆることでAIが当たり前になったと感じています。
生成AIを扱えない人材は今後評価にも影響するだろうし、実際に新卒採用にも影響しているのを観測しました。
私はカレー屋を営業していますが、今や飲食店の方も生成AIを使って店のロゴを生成したりしています。最近だと藤井聡太氏もvibe codingにハマっていると発言していました。
読者(私)のバックグラウンド
この感想を書いている読者の前提が、この記事内におそらく入ってしまうためかんたんにプロフィールを記載しておきます。
- ITエンジニア 約10年
- 最近はClaude、Claude Codeに絞って利用
- ITエンジニアとして毎日生成AIは利用している
- ChatGPTが登場してから、Claude Codeが登場するまでトレンドになったものはだいたい遊んでいる(Claude Code以降は浮気ほとんどせずです)
- カレー屋の営業事務(レジ締めの計算、仕込み数計算など)を生成AIにまかせ、IT以外でも利用している
こんな感じです。
生成AIの知識差が広がる今こそ
本書にも書かれていますが、生成AIを使っている人とそうでない人の差が広がっています。自力で知識をつけられる人ばかりではないため、本書は体系的に生成AIを学ぶのにうってつけでしょう。
大まかな内容は次の通りで、基礎から応用、そして実用的な領域まで書かれています。
- イラストによるわかりやすい説明
- サンプルコードつき
- AIの歴史から世間でよく聞く単語やサービスの説明
- プロンプトエンジニアリング入門
- LangChainといったライブラリ入門
- RAG(LLMと検索システムを組み合わせたシステム)入門
- 生成AIのオブザーバビリティについて
- AIエージェント開発について
個人的に嬉しい部分
LangChainやRAGなどの一歩踏み込んだ領域
LangChainのようなライブラリは実はほとんど知りませんでした。名前はもちろん知っていたけれど、実際に利用するほどの必要性がなかったので今日まで放置していました。
それから、RAG実装は外せません。LLMと検索システムのハイブリッドなわけですが、これがわかれば組織内の検索もLLMを絡めることができ、プライベート情報を正しく検索できるようになります。新しい世界観をもたらしてくれるはずです。 検索方式についての記載があり、キーワード検索の実装とベクトル検索の実装もコードとして書かれています。検索の仕組みもカバーしている点で、一読の価値があります(こんな機会でもないと検索について考えることはあまりない日常を送っています)。 両方の特性を理解したうえで、どの検索手法を選ぶかについても解説があります。
もちろん、そのあと実際にRAG実装のセクションがありますので、理論を理解しつつ仕組みを体験できます。
サンプルコード
物理本で買っても安心。GitHub上にサンプルコードがあります。全体像を把握するのにも使えますし、やはりあると親切だなあと改めて思いました*1。
読みやすい構成
イラストはもちろんですが、図を多く使ったりコラムを入れたり、レイアウトにも入門書ならではの読みやすさがあります。400ページありますが、思ったよりスムーズに読み切れるのではないかと思います。
あまり自分になかった視点
実用的な可観測性と品質
生成AIとオブザーバビリティはあまり気にしたことがありませんでした。これはもしかしたら企業でコスト管理したい立場の人や、個人でも可視化したい人、あるいは生成AIアプリケーションを開発している人が思いつくのでしょうか。
メトリクスやログ、トレースといったSREにはおなじみのワードが基本的な部分含めて解説されており、実際に可視化する手順が書かれています。ここまでくると、かなり実用的です。実際に導入可能だと思うので、参考になります。
また、品質に対する言及もあり、プロがプロとして使うには大変ありがたいTipsが散りばめられていると思いました。
おわりに
基礎から応用、そして実用までカバーした入門書。生成AIもう一回ちゃんと理解するぞ!という気持ちがある方、ぜひ年末年始を活かしてトライしましょう!
*1:自分が技術書を書くときもなるべく用意したいですね
